西洋占星術におけるホロスコープの登場人物である10天体をくわしく見ていきましょう。
キャストである10天体には、それぞれに演じる役割と個性があり、動きや性質もさまざまです。
古典占星術では、天体の数は7天体(日~土の1週間と同じ)でした。
その後18世紀以降に発見された3天体(天王星・海王星・冥王星)をトランスサタニアンと呼び、現代占星術ではこのトランスサタニアンも含めた10天体がメインとなります。
占星術の特徴とは、まさにこの太陽・月・惑星たちが、動かない星座(恒星)の間を縫うようにして動き回る様子を事細かに観察することから始まった占術です。
そのため、ホロスコープで最も重要なのは10天体と言われるのです。
10天体の特徴
太陽☉
光・王・中心・生命・力・父親・公・男性性・現世・昼
青年~中年
顕在意識・魂の目的意識・意志・自主性・人生の目的・社会の中での目的
《獅子座♌の支配星》
【1サイン滞在:約30.4日】
月☽
陰・女王・源・感受性・情緒・私的・母親・女性性・過去・夜
幼少期
潜在意識・個人の領域・日常生活・受動性・ベースとなる・習慣・条件づけ
《蟹座♋の支配星》
【1サイン滞在:約2.28日】
水星☿
陰と陽・参謀・中性・通信・伝達・言語・変わりやすさ・二重性
学童期
知性・神経・考え方・コミュニケーション・創意工夫・メッセンジャー・運ぶこと
《双子座♊・乙女座♍の支配星》
【1サイン滞在:約7日~2ヶ月半(逆行を頻繁にするので差が激しい)】
金星♀
やや陰・女神・愛・調和・魅力・美・芸術・平和・若い女性
思春期
愛情・喜び・楽しみ・トキメキ・快楽・趣味嗜好・バランスと統一・関係性
《牡牛座♉・天秤座♎の支配星》
【1サイン滞在:約20日~3カ月(逆行期間はとても長くなる)】
火星♂
陽・軍人・闘争心・積極性・活発・集中・競争・エネルギー・ビジネスマン
中年期
原動力・情熱・活力・意志・対外的な行動・一点集中・単刀直入・ひたむきさ・主張
《牡羊座♈・(古典では蠍座♏)の支配星》
【1サイン滞在:約2ヶ月】
木星♃
神官・発展・寛大さ・成長・自由・リラックス・上院議員
壮年期
幸運・自信・繁栄・拡大・善きもの・楽天的・ポジティブ・哲学・信仰・恩寵・大きさ
《射手座♐・(古典では魚座♓)の支配性》
【1サイン滞在:約1年】
土星♄
賢者・時間・制限・認識・秩序・摂理・堅実・構造化・教師・権威
老年期
試練・課題・責任感・時間をかけて力を発揮する・安定した力・克服・具体化する・ルール
《山羊座♑・(古典では水瓶座♒)の支配星》
【1サイン滞在:約2年半】
天王星♅
(高次の水星☿)
変化・革命・発明・天才・天文学者・科学者・IT・次元を超える・突発的・予想外
晩年期
革新性・独創性・既存のものを覆す・個性的・電気・ひらめき・社会全体を動かす
《水瓶座♒の支配星》
【1サイン滞在:約7年】
海王星♆
(高次の金星♀)
夢・神秘・感受性・幻想的・境界の曖昧さ・溶解と融合・俳優・巫女・HSP
晩年期
精神性・無意識・錯覚・宗教・他次元からのメッセージ・潜在意識の源流・社会全体のスピリチュアル化
《魚座♓の支配星》
【1サイン滞在:約14年】
冥王星♇
(高次の土星♄)
死と再生・極限・変容・死生観・深層意識・集合的無意識・自己変容・錬金術・地下資源
臨終期
極端な状態・パワフルな変化・消滅からの再生・予期せぬ幸運・無から力を引き出す・創造・世の中を深い部分から作り変える
《蠍座♏の支配星》
【1サイン滞在:約15〜30年】
10天体の共演
これらの才能豊かな天体たちがあなたの魂の中で力を合わせ共演して、あなたという魂を動かしています。
何と言っても、中心である太陽はとても重要です。
あなたの魂がどこへ向かっていくのか、その目的意識を指し示すのが太陽です。
あなたの魂のなかの王様です。
しかし、王様が意識を持っているだけでは、国は動きません。
王様が力を発揮するためには、そっとやさしく見守ってくれる月の女王の支えがいります。
具体策や作戦は参謀である水星が細かく練ります。
金星の喜びやトキメキ感はやる気に繋がるとても大事なこと。
これらを実行に移す力が火星のエネルギーです。
木星や土星は、王様が目的や試練をがんばっていると、ご褒美や結果をもたらしてくれます。
木星は幸運の星と言われます。太陽~火星までの天体をうまく使っていくと、木星がさらにその力を大きくしてくれます。
土星は試練や課題と言われますが、木星が広げすぎたり、大きくなりすぎたりするのを防いでくれる役割もあります。
土星の分野は、時間をかけて取り組んでいくことで、のちのちしっかりとした力になってくれる部分です。
トランスサタニアンの意味
トランスサタニアンはそれぞれ太陽から遠く離れて公転しているため、公転周期がとても長く、地球から見た場合その動きはとてもゆっくりしています。
つまり1つのサインに滞在する期間もとても長くなります。
(天王星♅:約7年、海王星♆約14年、冥王星♇約15〜30年)
そのため、トランスサタニアンのサインを読む場合、個人の特徴というよりは世代の特徴を表していることになります。
しかしトランスサタニアンの重要度が低いというわけではありません。
トランスサタニアンがその人のどのハウスに入っているかは、出生時刻の違いによってそれぞれ大きく変わります。
ハウスは舞台であり、具現化する場所を表します。ですので、同世代で同じ性格の冥王星を持っていても、それがどうその人の人生で現われてくるかは、人それぞれということです。
さらに、トランスサタニアンが他の天体とどのようにアスペクトしているかによっても、その人の魂への影響度が変わってきます。
トランスサタニアンは後年になって発見されたものですが、それは時代の変化・発展とも結びついています。
科学の発展とともに、人間ひとりひとり、個人・個性というものも複雑になってきます。
トランスサタニアンまで詳しく見ていくことは、より個人ひとりひとりを細かく丁寧に見ていくことにつながっていくことになります。
トランスサタニアンもとても重要な天体なのです。
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